アメコミレビュー:『タスクマスター:失われた過去』は30年の時を経て彼を再定義した泣ける短編だったよ

 

エソラコトナリです。

今回はアメコミ『タスクマスター:失われた過去』の話。

 

タスクマスター:失われた過去

驚異の写真的反射能力を持つ傭兵にして、マーベル・ユニバース屈指の戦闘教官の人気単独誌、待望の邦訳!
『写真的反射能力(フォトグラフィック・リフレクシズ)』を武器に、数多のテロリスト集団や犯罪組織で戦闘教官を勤めたトニー・マスターズことタスクマスター。
ある日、裏切りを働き、アベンジャーズに与しているという噂を流され、10億ドルの賞金首となってしまう。自らが育て上げた教え子達から命を狙われる…そんな戦いの中で、自分自身の記憶にまつわるとんでもない事実が明かされることに!
伝説の傭兵の悲哀を描いたマスターピースにして、小社読者アンケートで長らく邦訳化を切望された人気タイトルが遂に日本上陸!

『タスクマスター:失われた過去』は2010年に連載されたミニシリーズ『Taskmaster』の翻訳版です。

マーベルレジェンドのインフィニティ・ウォー/サノスシリーズにも登場したタスクマスター。

どんなキャラクターなのか知らなかったので入門がてら読んでみました。

 

フォトグラフィック・リフレクシズ

タスクマスターは目にした技を完璧に再現できる『写真的反射能力(フォトグラフィック・リフレクシズ)』の持ち主。

この能力のおかげで1980年の初登場からめっぽう強く描かれています。

最初のコマでいきなり2人のアベンジャーズを瞬殺って凄すぎ…

 

今作でも過去に覚えた技を次々に披露し、アクションシーンを派手に盛り上げてくれます。

エレクトラの剣技、キャップの盾投げ、ホークアイの射的、etc…

一応ただの人間ですがほとんどミュータントレベルの能力ですね。

 

30年を経てタスクマスターを再定義

本書はそんなタスクマスターを初登場後30年の時を経て「過去の喪失」により再定義します。

その再定義こそが物語のコアとなる良質なサスペンスになっているのです。

アベンジャーズに与していると噂され、賞金首となってしまったタスクマスター。

彼は教え子と戦いながら自分をハメた黒幕を探します。

しかしその旅路の終わりに失われた過去を見つけてしまう…

この過去がとっても切なくて泣ける!

短編ながら彼の存在を永久に、重層的で味わい深いものに一変させてしまう力があります。

それまで数十年タスクマスターをフォローしてきた人は度肝を抜かれたんじゃないでしょうか。

魅力的な能力、感傷的な過去。

タスクマスターにヴィランとしてこの上ない設定がもたらされる本書を見逃す手はないですね。

 

再生されるジュークボックス

ところで本書を読み終えると冒頭のセリフが何倍にも意味深く感じられます。

ジュークボックス
まさに俺みたいだ

その理由はネタバレになるので伏せますが、再生をテーマにラジオでたっぷり深掘りしますのでどうぞお楽しみに。

 

※ラジオ配信しました。こちらのリンクからどうぞ。
アメコミ『タスクマスター:失われた過去』はまるでジュークボックスのように再生される悲しい過去の物語だったよ