エソラコトナリです。
今回はグウェンプール翻訳版(第1弾)の話。
グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま~す
第2弾もすぐに発売ですがまずはこれ。
グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま~す (MARVEL) https://t.co/Z91C87xdwr pic.twitter.com/Ops3oAHnsp
— エソラコトナリ@コミコン3days (@esorakotonari) April 25, 2018
ご注意! デッドプールは出ません!
私立探偵ハワード・ザ・ダックに奇妙な依頼が舞い込んだ。
怪盗ブラックキャットが、自分から盗みを働いた謎の小娘を捜し出して欲しいというのだ。
いやいやながら捜査に乗り出したハワードは、マーベル史上、稀に見る奇天烈なヒロインと出会う事になる……。
銃も格闘技もかっらきしのくせに、コミックブックのオタ知識だけは満載の超次元ヒロイン、その名はグウェンプール!
『グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま~す』は2016年に連載された『THE UNBELIEVABLE GWENPOOL #0-4』の翻訳版。
グウェンプールは2015年にデッドプールのバリアントカバーで登場し、たちまち人気者になってしまったキャラクターです。
その後ハワード・ザ・ダックでゲスト的に本編に初登場。
その半年後に開始された初のソロシリーズが今作となります。
だからマーベルの中でもめちゃくちゃ新しいキャラクターなんですね。
特徴は名前からもわかるようにデッドプールが元ネタ。
ヒーリングファクターは持たないものの、第四の壁を簡単に超えてしまう存在です。
正確に言うと第四の壁を超えて現実の世界からコミックの世界に入ってきてしまった異世界召喚キャラ。
コミックオタクの知識を駆使してマーベル世界を渡り歩くわけですから、ある意味でデッドプールよりタチが悪いんですね。
読者しか知らないはずのキャラの過去や正体を例外なく知っていて、行く先々でヒーローにガチギレされたりします。
MAD or Kawaii
そんなグウェンプールが本書では二通りのアートで描かれます。
プロローグアートを担当したダニーロ・ベイルーチのグウェンプールなものすごくMAD。
メインアートを担当したグリヒルのグウェンプールはものすごくKawaii。
実はソロシリーズ開始前に本編初登場のアートをダニーロ、ホリデースペシャルをグリヒルが担当していて、この2話が#0として改めて発行されています。
もしかすると二通りのアートで登場させて、読者の反響によってソロシリーズのメインアートを決定したのかもしれません。
MADならデッドプールで足りている
ダニーロのグウェンプールはデッドプールを彷彿とさせるMADっぷりで、アメコミファンには受け入れられやすいもの。
マーベルレジェンドがモデルにしたのもこちらのタイプですね。
でも逆に言ってしまえば女性版デッドプールの域を出ない想定の範囲内キャラ。
女の子ってところが違うだけですから最初の目新しさがなくなるとすぐに飽きてしまいそうです。
Kawaiiで唯一無二のキャラクターに
グリヒルはご存知の通り日本人のアーティストユニット。
そんなこともあって日本のファンへのサービスは抜群です。
本書のカバーは発行済みのバリアントではなく、翻訳版のための描き下ろし!なんて豪華な!
グリヒルはグウェンプールを単なる女性版デッドプールという存在に終わらせない魅力を付け加えました。
彼女のアートはとにかくKawaii!
圧倒的にかわいいマーベルキャラの登場に全米が泣いたかどうかは知りませんが、全日本は泣きました。
MAFEXのお値段お高めなフィギュアが飛ぶように売れてるんですから、グリヒル版グウェンプールの人気恐るべしです。
可愛さが繊細さを生む
グウェンプールが可愛く描かれることでもう一つメリットが生まれます。
それは繊細さを感じられること。
ダニーロのグウェンプールはどう考えても完全に楽しんでいるご様子でこの世界に迷い込んだ悲哀は感じられません。それがまたいいところでもあるわけですが。
グリヒルのグウェンプールはホントは現実世界に戻りたいんだけど…っていう繊細さもあわせ持っています。
ドクター・ストレンジとの場面はそれが色濃く表現されていましたね。
さらに異世界召喚先でマーベル・コミックの知識を駆使できるんだからビッグなヒーローになれるはず!って思ってたのに…なんて悩んだり。
グウェンプールというのは読者自身をマーベル世界に投影したものですから、これで感情移入度が上がらないわけないんです。
グリヒルのアートが生み出すもの
可愛さと繊細さをあわせ持って描かれるマーベルキャラはとても珍しいもの。
そのアートが日本人によって描かれているわけですからこれほど嬉しいことはありませんね。
グリヒルのアートはもう一つ面白いものを生み出しているんですが、これはラジオで深掘りしますのでお楽しみに!
翻訳第2弾のレビューはこちらからどうぞ。